岸見一郎・古賀史健「嫌われる勇気 自己啓発の源流『アドラー』の教え」読書メモ
継続王に、おれはなる!0561
世界的にはフロイト、ユングと並ぶ心理学界の三大巨匠とされながら、日本国内では無名に近い存在のアルフレッド・アドラーの「個人心理学」を噛み砕いて教えてくれる「嫌われる勇気」を読みました。
タイトルだけ見れば、「人の迷惑を考えずに自分勝手に生きろ!」という内容なんだろーなー、なんて思いながら読み進めていったのですが・・・そんな短絡的なことではなかったです。
そんな、短絡的に重箱のスミをつつくような思考回路を持つぼくのような無名の「青年」が、意地悪く質問し、それをアドラー心理学を以って、ある「哲人」が諭すといった内容になっています。
「いま、ここ」にかける
・問題は世界がどうあるかではなく、あなたがどうであるか
・「不安だから、外に出られない」のではありません。順番は逆で「外に出たくないから、不安という感情をつくり出している」と考える
・あなたが変われないでいるのは、自らに対して「変わらない」という決心を下しているからなのです(中略)いろいろと不満はあったとしても、「このままのわたし」でいることのほうが楽
であり、安心なのです。・すべての悩みは「対人関係の悩み」である
・だれとも競争することなく、ただ前を向いて歩いていけばいい
・われわれは「他者の期待を満たすために生きているのではない」
・他者もまた「あなたの期待を満たすために生きているのではない」
・他者の課題には踏み込まない
・自分の信じる最善の道を選ぶこと(中略)その選択について他者がどのような評価を下すのか。これは他者の課題であって、あなたにはどうにもできない話です。
・他者の評価を気にかけず、他者から嫌われることを怖れず、承認されないかもしれないというコストを支払わないかぎり、自分の生き方を貫くことはできない
・人はほめられるほど、「自分には能力がない」という信念を形成していく
・「ありがとう」は評価ではなく、もっと純粋な感謝の言葉です。人は感謝の言葉を聞いたとき、自らが他者に貢献できたことを知ります。
・自らの主観によって「わたしは他者に貢献できている」と思えること
・他者貢献とは「わたし」を捨てて誰かに尽くすことではなく、むしろ「わたし」の価値を実感するためにこそ、なされるもの
・自己受容、他者信頼、他者貢献
・普通であることの勇気
・人生とは連続する刹那
・「いま、ここ」に強烈なスポットライトを当てよ
・「他者に貢献するのだ」という導きの星
他者から「ほめられる」のではなく、「感謝される」ことで自分の中の貢献感だけを頼りに生きること。
そんな境地に立てるような人間になるためには
アドラー心理学をほんとうに理解して、生き方まで変わるようになるには、「それまで生きてきた年数の半分」が必要になるとさえ、いわれています。つまり、40歳から学びはじめたとすれば、プラス20年が必要で60歳までかかる。
とのこと。
即効性はなく、日頃の継続と日数が必要なことに信憑性があります。
過去も未来もない、「いま、ここ」を爆発させる考え方は、岡本太郎氏を彷彿させますね。
Teruyuki Kobayashi
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