溶接DIY初心者でも「上手な溶接かを見分けることができる」3つのチェックポイント
オシャレな家庭用溶接機の登場で、今後一般家庭でも溶接DIYをされる方が増えていくのではないでしょうか?
溶接女子が増えるかも?女性向け家庭用溶接機「sparky」発売
しかし、もちろんその家庭用溶接機があっても、それを使いこなして上手な溶接ができるようになるには慣れる時間がある程度は必要です。
ただし、以下の3つのチェックポイントで「上手な溶接か、下手な溶接か」を判断することは溶接DIY初心者でもできます。
鉄でできた階段や手すりなど、身の回りの溶接がうまくできているかどうかを素人でも判断できる方法をお教えします。
※ほんの一部の判断方法です。絶対ではありません。
そもそも溶接ってなに?
そもそも溶接とは、
・溶接は、2つ以上の部材を溶融・一体化させる作業です。
・接着と異なる点は、母材(接合したい材料のこと)を物理的に溶かすことです。
字的には似ていますが、溶接は「接着」とは違います。
溶接の考え方で大事なことは、鉄どうしが「くっついているか?」ではなくて、鉄どうしが「溶けこんでいるか」なんです。
見た目が「くっついている」だけですと、たまたま接着しているだけなので、階段の踏み板が外れたり、手すりの脚が取れたりと、もしかすると怪我や事故につながるかもしれません。
「透視でもできないかぎり、くっついているか溶け込んでいるかなんて、判断できないよ!」
そう思われるのもごもっともです。
でも慌てないでください。こんな簡単なチェック方法があるんです。
3つの代表的な溶接チェック法
①溶接の肉の太さは板厚の8割か
鉄板とか鉄の材料の厚みがわかる場合には、それらが溶接されている溶接の肉が、その鉄板の厚みの8割くらいになっているかを見ます。
例えば、6mmの厚みの鉄板にされている溶接の肉の幅は4~5mmになっているか?を見ます。
※どの角度から見た溶接の肉の幅か?はここでは省きます。
②溶接の肉の幅は一定の幅か
大量生産品はロボットで溶接されている場合がありますが、そうでない場合、人間の手で溶接されています。
上手な溶接士であれば、その溶接の肉の幅は一定です。
ヘタな職人の溶接は、よく「ミミズの這ったような溶接」という言い方をしますが、溶接の肉の幅が一定ではないと、溶け込んでいるとは言えない場合が多いです。
③溶接の肉の表面に気泡の穴がないか
一般的な半自動溶接機は、二酸化炭素のガスを利用します。
そのガスの圧力が極端に低かったり、溶接する鉄が汚れていたりすると、溶接肉が泡を吹いてしまい、溶けこませることができません。
というわけで、溶接肉につぶつぶと穴が開いていると注意が必要です。
※家庭用溶接機「Sparky」を使っての溶接はノンガス(ガスを使っていない)なので、上記には当てはまりません。
身の回りの溶接チェック!
一番初歩的な溶接のチェック方法を3つだけ挙げました。
①太さは充分?
②幅は一定?
③表面に穴はない?
まずは、上記の3つをクリアしない溶接は問題外です。
わたし達のようにこの仕事に携わっている人間は、休みの日でも溶接加工品を見ると、溶接の肉を見て、腕前はどうかな?と知らずにチェックしてしまう職業病を持っています。。。
世の中には「こんな溶接で、よく破損しないでいるなあ。」と思ってしまう「ミミズの這ったような溶接」もよく見ます。
表面を塗装でごまかしているけど、「ぶつぶつと穴の開いた表面」もよく見ます。
日頃から溶接を見る目を養っておいて、いざ自分の関係のあるところでミミズ溶接に遭遇しても見極められるようになっておきましょう!
※溶接上級者の職人の方へ
上記の簡単な判断方法はもちろん素人の方用の初級編であり、わかりやすく3つをピックアップしてみました。
どなたがやったかもわからない下手な溶接のおかげで、一般のお客様が迷惑されないような、上記以外のわかりやすいアドバイスがありましたら、ぜひとも発信していっていただきたいです。
Teruyuki Kobayashi
最新記事 by Teruyuki Kobayashi (全て見る)
- 長田(おさだ)工業所 2018年のメディア出演・掲載・講演等メモ - 2018年12月18日
- 2017年のメディア出演・掲載・講演メモ - 2017年12月21日
- 2017年5月・6月・7月のメディア出演・掲載メモ - 2017年7月15日