溶接テーマパークの人のブログ

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「安」さは「安」全につながらない

      2015/12/16


この記事の所要時間: 311

2015年の今年の漢字が発表されました。
2015年「今年の漢字」 | 公益財団法人 日本漢字能力検定

「安」が選ばれたのは、安倍内閣のもとで安全保障関連法案が議論されたこと、テロなどで安全が脅かされ、不安なニュースが多かったことなどが理由のようです。

 

「安さ」が正義という風潮

わたしが今年振り返って「安」で思い出すのは、橋や建物の手抜き工事で公共物の安全神話が崩れ、人々を不安にした事件です。

一般的には施工した下請業者がすべて悪いとされていますが、根本は「見た目だけの安さ」が正義とされている現在の世の中の風潮だと思っています。

我々はそんなに大きな工事はしていませんが、やはり毎回の工事の案件に対して「安さ」と「品質」の両方を求められます。

ここでいう安さとは、

・エンドユーザー様に対して安全な製品を作るための手間
・従業員に対して永続的に安全に加工・施工できる安全対策費や労務費
・協力会社様が不正な部品に走らないようにする適正な仕入れ値

こういった必要経費などをこめている適正価格を下回る価格のことです。

単純に「企業努力が足りない」と言われる、といったあいまいな圧力に負けてこの防波堤を一旦壊してしまうと、今回のように安全が後回しといったマヒ状態になってしまうでしょう。

By: temaki

 

数字の羅列だけの判断は危険

「ほかの会社はこの価格だから」といった理由の値引き交渉も根拠が乏しいです。

「ほかの会社の価格」がもし今回の事件のような、安全を後回しにして作られた価格だったらどうでしょうか?

もちろんほとんどが、会社によっての得手不得手によるものや、時にはその時のタイミング(赤字でも仕事がないよりはマシ)などの価格の違いによるものでしょう。

しかしそれ以外の要素で、もし見積り価格が極端に違っているなら・・・

数字の羅列のみで判断されず、実際に「ほかの会社」の工場や、われわれの会社の工場に足を運んでいただくことをおすすめします。

代表であるわたしの人間性や、従業員の姿勢などの実態を確認してください。

 

企業理念に基づいた価格基準

弊社は決まった商品はなく、毎回別の案件で「定価」というものがありません。

・エンドユーザー様に対して安全な製品を作るための手間
・従業員に対して永続的に安全に加工・施工できる安全対策費や労務費
・協力会社様が不正な部品に走らないようにする適正な仕入れ値

上記の3点に、企業が存続するための最低限の経費・利益を加え、時間をかけて何重もの決裁を重ね、お客様と会社が共に安心できる価格を毎度提示させて頂いています。

ですので、「半値八掛け二割引」前提といった、紛らわしい価格は提示しておりません。

弊社の企業理念は「あたらしい価値を作り、すべての人々に笑顔を」です。

「すべての人々の笑顔」の中には「安全・安心」の要素があります。

たまに「とにかく安さが正義、それより高いは悪い会社」といったお叱りを受けるときもありますが、目先の売上のためといった根拠の無い値引きは難しいです。

時間をかけて価格設定をさせていただいているので、それを下回るということは「安全・安心」は後回しになってしまうことになることが心配です。

もちろん「高いが正義」とも考えておりません。

適正価格で顧客の皆様・取引先の皆様に、正しい商習慣取引で幸せになる世の中を目指しています。

 

 


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@terukobayashi 小林輝之 ●溶接士免許から調理師免許まで幅広い経験をもつ福井県坂井市春江町の㈱長田(おさだ)工業所代表。 ●金属加工のワクワクを一般の方にも知ってもらいたいため、溶接キャラのLINEスタンプを作ったり、溶接工場をテーマパークにするプロジェクトを進めていたり、インテリアブランド立ち上げにとりかかっていたりしています。 Apple/読書/出版/経営/モノづくり/Amazon/ラーメンetc...

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