零細企業でもやっておくべき職務の見える化。おさだ工業所の組織図の変遷
おさだ工業所は平成28年5月より第26期が始まります。
来期に向けて特に今力を入れているのは、組織図の作りこみです。
わたしがここに入社した10年前、そして代表が変わった4年前、そしてこれから。
そんな組織図の変遷から、10年後はこんな感じになっているのかなーといったことがイメージできてきました。
入社時~社長交代まで(10年前)
わたしがここに入社した10年前は、役員も合わせて7名でした。
当時の社長(現会長)本人が職人歴30数年のベテランでしたので、社長筆頭に全員ひとりひとりが電話を受けて、見積りして、受注して、図面を書き、製作、現場設置をしていました。
ひとりひとりが親方のような感じで、利益の上がるときは上がっていましたが、忙しい時と暇な時の差が激しかったと思います。
そしてその波の高低を、当時の社長ひとりでかぶっていたような印象が残っています。
もちろんこの時には組織図や部署というものは存在しませんでした。
社長交代~少し前まで(4年前)
今から4年ほど前に、社長を交代しました。
入社して以降、仕事以外の時間を使って勉強し、溶接などの色んな資格は取ってきましたが、前社長(現会長)に比べ、製造や現場作業の経験値がかなうはずがありません。
前社長とおなじようなことをしてもうまくいかないのでは?というのが当時の悩みでした。
それならば、と、自分よりも経験のある職人さん達を働きやすくして、効率を上げていく仕事に徹すれば、自分一人の生産性くらいはカバーできるようになると自信がありました。
まずやってみたのが、今までひとり親方の集まりのような職務体系だったのを、チームで製作できるように、下記の2つの部署に分けました。
①「工事部」という名前で、営業窓口であったり、見積をしたり、図面を書いたり、座って仕事をする部署。
②名前はありませんでしたが、今まで通り、工場内で製作したり現場作業をする部署。
もちろん社員数の少ない中だったのでキッチリとは分けられませんが、それでもなるべくその人の得意分野に絞って仕事をできるようにしてもらいました。
「体を動かして製造してナンボ、パソコンに向かっていて売上が上がるのか?」というのがこれまでの考え方でした。最初は不満に思っている職人さんもいたかもしれません。
これから(H28年5月~)
社長交代してから少しづつ社員数も増えてきて、現在13名。本当に少しづつ組織で動いている感じになってきました。
すると、今までの「座ってする仕事」であるはずの「工事部」に所属している人たちの作業が結構多くなっていることに気づいてきます。
また、社長と社員をつなぐ「№2」という存在が必要になってきたことに気づきました。
「人数が少ないから兼任が当たり前だ」とは思います。
しかし、兼任をするにしても、現在やっている作業や権限など、どんな部署が必要で、誰がどれだけ兼任しているのかを今回の組織図で見える化してみました。
まず、常務取締役を任命し、社長と社員の間に入ってもらいます。
そして、今まで「工事部」でやっていた職務を「総務部」「営業企画部」「品質保証部」「生産管理部」の4つに分けてみました。
今まで名前のなかった、工場で製造する部署を「製造部」と名づけました。
上記の図の下の方に書いてある「各部署の役割」のように、その部署の職務分掌も決めました。
もちろん今は、みんないくつもの部署にまたがって兼任しています。
しかし、だれがどれだけ兼任しているのかがわかり、中には兼任するよりも一つに集中させて、ほかのところに新しく人が必要になってくることなどが見えてきました。
この部署の部長が違うところの部署に集中するとしたら、次にくる人は少なくともその部長の仕事ぶりを目標にしないといけない、というところも見えてきました。
まだ考えが及んでいないところもありますが、まずはやってみます。
組織図を作りこむことで「社員数30名くらいって、こんな感じなのかなー。10年後くらいにはこんな感じになっているのかなー。」といった具体的な将来が見えてきたような気がします。
Teruyuki Kobayashi
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