「言った言わない論争」は言った者の責任です
継続王に、おれはなる!0255
「あいつに言っておいたんだけどなあ」
「言ってもどうせ聞いてくれない」
「そんなこと聞いてません」
「いい加減なこというな、言った覚えがない」
従業員10名未満の鉄工所にありがちな会話です。
この言った言わないの水かけ論に意味はあるのでしょうか。
まったく不毛であり、時間の無駄です。
では、解決するためにはどうしたらいいのでしょうか
部下の失態は上司の責任
とくにこんな場合。
上司が指示したことを部下が聞いていなかったために問題が起きた時。
上司が「部下がボケッとしているから聞き漏らすんだ」といった声を聞いたらぼくは我慢できません。
上司は部下よりも多くの失敗の経験をしているのではないのか、と。
【上司=経験が豊富=部下よりも失敗をたくさんしてきている】
上司が過去失敗してきたことが当時、ちゃんと反省して自分の血となり肉となっているのならば、今回の部下の失敗は先回りしてフォローできていたはずです。
ぜひとも上司であるあなたが昔、部下であった時代に得た多くの失敗の経験の中から、今回のような引き出しを探しましょう。
「先輩に、言われた覚えのない指示で怒られた経験」
引き出しを開けると「自分が上司になったら」こうしようと考えていたはずです。
- 「自分が上司になったら、部下に伝わっているのか何度も確認しよう」
- 「自分が上司になったら、言葉だけではなく文章として残しておこう」
- 「自分が上司になったら、物覚えが悪い部下には、小さなメモ帳を常に持たせよう」
プロジェクトの失敗の責任を部下だけに押しつけることは実に簡単です。
しかし、そのような事をしている以上、根本的な解決とはなっていません。
「でも・・・本当に部下に言ったんですよ!部下がしっかりしていれば今回は失敗しなかったんだ!」
まだ言うか。もしそんなにしっかりしている部下がいたら、そんな考え方の上司なんて将来簡単に追い抜かれるでしょう。
おさだルールの制定
おさだ工業所では、
「言った言わない問題の責任は言った人間が持つ」
とトップである僕が決めました。
(ちなみにお客様に対しては例外で、言った言わないの問題はどちらにせよ責任は弊社にあります。協力会社さんに対してはケースバイケースです。)
ほとんどの場合上司から部下に指示をするので、「言った人間の立場」になるのは「上司」であるパターンが多いでしょう。
責任をもつということは、言った者はちゃんと相手が理解しているかを確認すること、言っただけでは人間は忘れるということ、そういったことを折込済みで「言う」ということです。
トラブルを避けるために
そういった責任を持って言うくらい重要な伝達事項は、
- 紙に文章として残しておく(了解サインをもらっておく)
- 文字にしてメールしてお互いに残しておく
といった対策を最低は当たり前のようにしておくことでしょう。
とにかく言葉というものは発した瞬間消えてしまうので、お互いの記憶の中での話は言った方の思い込みがあったり言われた方の勘違いがあったりすることは必然です。
トラブルによる無用な時間やお互いの確執の原因となることを避けるためにも、言った方の人間が責任を持つという文化を作っていきます。
3ヶ月前の記事のリメイクです
上記の記事は、実はアメブロ時代に書いていたブログ記事のリメイクです。
言った言わない論争を解決するルール|鉄工所の二代目社長、時々ルヒィ(旧アメブロ)
今回改めて記事にしたのは(詳しく言えないですが)最近同じようなことが起こったからなんです。
改めて心に書きとめておこうと思いまして。
毎日が決まった仕事をこなすだけなら防止策のような仕組みも作りやすいのですが、毎日が変化の連続の弊社のようなビジネスモデルではなかなか難しい。
その中でも「人間は忘れる」「人間は飽きる」「人間は疲れる」などが原因のヒューマンエラーによる行き違いや事故をなくすための仕組みを作り続けなければなりません。
「部下が悪い」
どんなケースであれ、そう思った時点で上司が責任を放棄し、部下にその責任を渡したことになります。
上司と部下の関係が逆転していることに気づくべきです。
Teruyuki Kobayashi
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