すみ肉溶接(ビード)の太さの基準は、鉄板の厚みの7割を目安に
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いい溶接かどうかを見る方法の一つとして、溶接の肉の太さが適正か、という判断基準があります。
例えばこちらのすみ肉溶接で見る時には、
薄い方の鉄板の厚みの「7割」が下の写真の「脚長(きゃくちょう)」と呼ばれる長さになっているか?が大雑把な判断基準です。
例えば薄い方のタテのほうの鉄板の厚みが12ミリだったら、脚長は8ミリほどになるわけです。
もう少しすすんで、「脚長」では少しわかりにくかったら、ナナメから見た幅も参考にします。(ナナメの幅の名前はありません)
溶接の断面は、ザックリ言って二等辺三角形なので、ナナメの幅は脚長の1.4倍ですね。
なので、8ミリ×1.4は11ミリ。
ナナメから見た幅は、鉄板の厚み12ミリとほぼ同じくらいになります。
実際には溶接部に働く応力から脚長を計算して、なるべく少ない溶接量にすることがいいとされています。
溶接の肉が太すぎても(熱を加えすぎても)細すぎても(鉄同士が溶け込んでいない)よろしくありません。
職人さんはそういった長年の経験と計算で、溶接の太さを基準に、ちゃんと鉄と鉄が融け合って混ざり合っているかを判断します。
そういった計算の中で、あえて細くしている場合もあったりするので、一概には言えません。
しかし、一般の方が溶接に挑戦する場合、とりあえずの目安とするところは、このような太さになっているかをまず確認しましょう。
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Teruyuki Kobayashi
代表 : ㈱長田工業所(おさだこうぎょうしょ)
@terukobayashi 小林輝之
●溶接士免許から調理師免許まで幅広い経験をもつ福井県坂井市春江町の㈱長田(おさだ)工業所代表。
●金属加工のワクワクを一般の方にも知ってもらいたいため、溶接キャラのLINEスタンプを作ったり、溶接工場をテーマパークにするプロジェクトを進めていたり、インテリアブランド立ち上げにとりかかっていたりしています。
Apple/読書/出版/経営/モノづくり/Amazon/ラーメンetc...
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