「N字回復」に学ぶ、第二創業のポイント
継続王に、おれはなる!0290
”家業で終わるか、壁を乗り越え、真の”企業”となるのか。
本のカバーにこのような文字を見つけ、この「N字回復」を即買いしました。
あるコンサルティング会社が、組織としてどのようにして盛り返していったのかをビジネス書というよりは「プロジェクトX」のようなノンフィクション形式で書かれております。
自社と照らしあわせて、考えさせられることが多くありました。
「N字回復」とは
V字回復は聞いたことがあるけど「N字回復」は初耳です。
本にはこう定義されています。
企業のライフサイクルとして、最初の「創業期」から始まり、だんだん上向きになる「成長期」。
そして落ち着いてきて下がり始める「成熟期」、「衰退期」を迎えたるのが普通です。
しかしそこから一念発起してもう一度「創業」を志す、「第二創業」でもう一度業績を上向かせること。
これがグラフで見るとアルファベットの「N」にみえるところから「N字回復」と定義しています。
この再び伸びる時期に至るまでのプロセスが「第二創業期」であり、本書でいう「N字回復」なのです。
では、消滅する企業、再び伸びて「N字回復」を成し遂げる企業、この両社の運命はどこで分かれてしまうのでしょうか。
それは、経営者が本当の意味で覚悟をして頑張れるかどうかにかかっています。
N字回復のためのポイント
N字回復とは、衰退していく企業をもう一度よみがえらせることであり、ある意味「創業期」以上のエネルギーが必要なようです。
本の中で、N字回復をするためにはこのようなポイントが必要だと感じました。
- 会社に強固な涙を流すほどの理念がある
- 経営者自信が原点に立ち返り、理念を思い出す
- 経営者はキッパリ現場を任せる忍耐力が必要(トップセールスをやめる)
- 経営者は未来の為に時間を使う
- 社内の摩擦からエネルギーが生まれる
- 「少数精鋭」は人を育てられない言い訳
- 顧客満足か従業員満足か、どちらを取るのかの議論はナンセンス。両方必要。
- 幹部の育成には、修羅場、土壇場、正念場が必要
- 多少波風が立ってもホンネをぶつけ合うべき
- 人の入れ替わりも辞さない
- 部下に失敗させる勇気
- 理念実現のひとつのバロメーターが理念であり、どちらも大事
- 幹部が「社長の伝書鳩」から「理念の伝道師」へ変わらなければならない
- 「経営者の忍耐」と「幹部の覚悟」
「成熟期」は「衰退期」の始まりです。
一度成功体験のある、経営者のトップセールス型の限界を迎えた「衰退期」。
そこから持ち上げてN字回復させるには、経営者が生まれ変わるか代がわりをして、トップが現場を離れる勇気を持ち、幹部の覚悟を引き出して、部下から盛り上げていく社風を作り出していくことが必要なようです。
関連本です。
N字回復するにも理念が必要。理念を込めた経営計画書はこの本で作りました。
Teruyuki Kobayashi
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