建設業の人材不足の理由に政府はようやく気づいたようです。
2013/10/14
継続王に、おれはなる!0343
公共工事の入札制度について、政府がやっと重い腰を上げたようです。
価格本位から転換
先日の日経新聞より
政府・与党は建設業の人材不足が深刻になっている点を踏まえ、公共工事の入札制度を見直す。価格の安さを追求する姿勢を改め、若手の技術者を活用する企業を優遇する点数制を導入する。(中略)
国交省は建設会社が入札時に出す作業員のリストから若手の比率を算出し、評価する。対象の職種は入札により異なるが、現場で施工全体を管理する技術者や実際の作業にあたる技能者が主な対象になる見通しだ。若手の比率に年齢などで基準を設け、基準以上を現場に配置すると加点する。高い点数なら入札で有利になる。
引用:公共工事入札に優遇制度、若手技術者活用促す 政府・与党、価格本位から転換 :日本経済新聞
この政策によって、先日ぼくがブログに書いていたような「だれもがわかっていてもやらざるを得ない」デフレスパイラルから抜けだして頂くことを願います。
ぼくのひそやかな警鐘記事
まわりまわって国民全体に通じることかと思い、ぼくのブログの過去記事でアリンコレベルの警鐘を鳴らしておりました。
(実際の自分の業界とは違う建設業についてなんですが)
提示価格(単価)が底をついているところに仕事量だけ増えたところで会社はまわりません。
いわゆる「貧乏ヒマなし」「自転車操業」になることが見えているから。(中略)「国や自治体の予定価格に応じる業者が現れない「入札不調」が目立っている」(日経新聞より)
そこまで割に合わないところまできたんですね。
でも、割に合わないとわかっていても低価格の仕事の量は世の中に多くあるので、お金を回さないといけない会社はとにかく受注するために低賃金の人材の採用を増やす。・割に合わない仕事を取らないところまできた建設会社
・割に合わなくても仕事を取らなければならない建設会社先ほどの新聞記事ではこの2種類の企業の存在が浮かんできます。(中略)
ここには「人件費の高騰により入札不調」と書かれていますが、これは今までに底まで不健全に落ちた価格が、元の水準に戻るだけのことです。
その水準まで戻してやっと被災地で作業してくれる従業員が現れるのが現実です。
まとめると、不健全に底の底まで落ちた現在の入札価格相場にはさすがに誰も飛びつかなくなりますよ、そりゃ、といった内容です。
今回の新聞記事の「公共工事入札の新優遇制度」をキッカケに、本来のあるべき価格帯に戻って頂くことを願います。
でもこのくらいの政策では根本の解決にはならず、結局人は集まらないでしょうけど・・・
(ちなみに弊社は入札による注文は受けておりません)
違和感はこれだったのか。
今までぼくがほのかに感じていた、政府が企業に対して賃上げを要求していることに対しての違和感はここだった気がします。
企業は給料上げてやれ、でも入札工事は一番低価格でやれ、こんな要求に誰が答えるでしょう。
順番としては、政府が業界の底の底まで落ちた相場価格を元の健全な水準まで戻すから、企業に少しの余裕ができた分を給料にまわしてやってくれ、という流れなら理解できます。
Teruyuki Kobayashi
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