楠木建「『好き嫌い』と経営」読書メモ
0808
一橋大学教授で、競争戦略などについて数冊書かれている楠木建氏が、有名な14名の経営者に「好きなこと、嫌いなこと」についてだけをインタビューした本を読みました。
ビジネス書というよりは、芸能人の対談本のような気軽な流れ。
あの社長は気難しそうなイメージだけど、そんな一面があったんだ!みたいな、一緒に飲みに行ってるような気分になれる一冊でした。
経営者の「好き嫌い」を軸に話が進められているので、いろんなタイプの性格があり、成功する道っていうのは無数にあるんだなあと感じました。
Kindle版では599円!
すべては好き嫌いから始まる!
読書メモというよりは、こんな感じの内容です、といった抜粋です。
・(経営者は内向きの管理のしごとをする管理者とは違う。)外に向かって価値をつくっていく本来の意味での経営者ではない。
・フィクションは嫌いです。小説や日本の大河ドラマであっても、ある程度は史実に基づいたものならいいですね。(と言っていたのに対談の後のほうではヤクザ映画が大好きと言っていた日本電産代表 永守重信氏)
・ニッチが嫌い、スケールが大きいビジネスが好き(フェーストリテイリング代表 柳井正氏)
・「嫌いなやつに嫌われる」のが好き/「小売り」が嫌い(ローソン会長 新浪剛史氏)
・お酒と不確定要素が大好き(マネックス証券CEO 松本大氏)
・ブログを綴る時間は内省的(自分と向き合う)なひととき(サイバーエージェント代表 藤田晋氏)
・嫌いなことを無理にしていると、本当に自分が好きなことが、わからなくなると思ったのです。僕にとってはそれが一番怖いことです。(ユナイテッドアローズ名誉会長 重松理氏)
・「活字と歴史」が好き/川の流れのように自然に流れていくのが、一番素晴らしい(ライフネット生命保険 会長兼CEO 出口治明氏)
・エンジニア、ギーク(オタク)が好き/多角経営が嫌い(ネットイヤーグループ社長兼CEO 石黒不二代氏)
・「スキーと目標設定」が好き(星野リゾート代表 星野佳路氏)
成功するためには一本スジのとおった理論があってもなくても関係ないんだ!という感じがするくらい経営者によってこだわりは多種多様。
ほとんどの経営者はがむしゃらにやってきて、その成功ストーリーは後から作っているだけなんだな、といった印象でした。
この本に書いてあることが全てではありませんが、世の中のうまくいっている経営者のマネをそのままかいつまんでしても意味が無い、ということを頭のどこかにおいて置かなければならないようです。
自分の「好き嫌い」が個性であり、その個性をグングン掘り下げていって、掴んだことに向かう集中力の物凄さを経営にいかに取り入れることができるか、が鍵になるような気がします。
↓Kindle版では599円!(1/21現在)
Teruyuki Kobayashi
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