溶接テーマパークの人のブログ

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「製造業が自分で企画をして、自分で作って、自分で売る」には「どこを目指したいのか明確にしておくこと」が大事

   


この記事の所要時間: 48

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「製造業が自分で企画をして、自分で作って、自分で売る」人にスポットを当てて、お話を聴いている動画配信を月に2回ほどのペースでされているenmonoさんの「マイクロものづくりストリーミング」が100回を迎えました。

その100回記念のスペシャルゲストが、福井県鯖江市の「薄さたった2mmのオシャレな老眼鏡『ペーパーグラス』を生み出した町工場」株式会社 西村プレシジョンの西村昭宏社長。

先日配信された動画がこの度、ちゃんとした読み物みたいな、福井県の経営者なら参考書として持っておきたいような書き起こしをされています。

書き起こしの中から、気になる部分だけピックアップしました。

第100回MMS放送 「薄さたった2mmのオシャレな老眼鏡『ペーパーグラス』を生み出した町工場」株式会社 西村プレシジョン 西村昭宏さん – zenmono(ゼンモノ)

 

メガネ部品依存からの脱却

>以前は100%眼鏡部品です。もともとお客様が鯖江にしかいなかったんですね。眼鏡産業っていうのは鯖江にしかありませんから。
その眼鏡産業が衰退していく中で、「じゃあどうしたらいいか」と考えた時に、チタンの加工という自社の強みを活かして眼鏡以外のお仕事をお手伝いするようになりました。

当初はメガネ部品だけを生産していたようですが、メガネ産業が衰退していく中で、チタンの加工に特化し仕事の幅を広げていったそうです。

ひとつの業界に左右されるのではなく、色んなところにリスクを分散させるように裾野を広げていきます。

同時にインターネットを駆使し、約5年で2.5倍に売上が上がりました。

 

地元で地域ブランドを作る

>リーマンショックの時期、2008年~2009年くらいに、一社でやる限界を感じました。
そこで異なる技術を持った何社かが共同受注することでスケールメリットを得て、さらに地域の強み・特色を活かしていこうという、今で言う地域ブランドを作りました。
それが「チタンクリエイター福井」です。

メガネの町、鯖江ならではの横の繋がりを利用して、地元数社で不景気の波を乗り越えます。

 

ペーパーグラス誕生

>ベースとなる技術・アイデア自体は10年前に存在しておりまして、2008年のリーマンショックを機に自社ブランドを立ち上げたいという思いで発売しました。

>全体的な商品構成だとか、コンセプト作り、色、形、あと値段含めてブランディングといいますか、決めていって、立ち上げたのが2009年の9月。

>ペーパーグラスという老眼鏡、なにがグッドデザイン賞で評価されたのかというポイントのところだけちょっと話をさせていただきたいなと思います。一般的な老眼鏡で指摘される問題点は、「持ち運びが煩わしい」「着け外しが多いのですぐ壊れてしまう」「お洒落な物が少ない」、この三つです。

>我々のペーパーグラスが目指したものは、それに対して極限の薄さで携帯性を実現しつつ、堅牢性があり、使い勝手も良い、そしてお洒落である。そういう老眼鏡です。

メガネ部品依存からの脱却を目論みながら、自社にできることを考えに考え抜いてペーパーグラスにたどりついたことが伝わります。

 

どこを目指すのかを最初に決めること

>僕は自社製品であったり自社ブランドっていうのは、作ることはすごく簡単だと思うんですね。
一番大事なのは、その作ったものがどこを目指すのかをキチッと最初に決めることだと思うんです。
それに従って、そのあとの販路であったりブランド力をどこまでつけていくのか、というのが決まると思うんです。
ですので、ブランドを立ち上げた時にまず決めたのは、ペーパーグラスが目指すところです。

>「私たちのビジョン」「私たちのミッション」と言っていますけども、まずは地元福井、そして日本に愛される世界一の老眼鏡ブランドを目指すんだと。世界一ですね。ペーパーグラスを手にする喜びと感動を世界中にお届けしたい。

単純に新しい商品を開発するだけだと単発で終わってしまう。

単発を目指すのならそれでいいのですが、もしペーパーグラスのように永続的に愛されることを目指すなら、そういったビジョン・ミッションを最初に決めることが一番大事だそうです。

———

わたしは、福井県内という身近で発展されている西村プレシジョンさんの会社に潜入したく、実は先日、この収録の写真撮影などに少しだけ関わらせていただいていました。

地元に愛されながら世界ブランドを目指す企業の雰囲気を肌で感じることができ、参考になりました。

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第100回MMS放送 「薄さたった2mmのオシャレな老眼鏡『ペーパーグラス』を生み出した町工場」株式会社 西村プレシジョン 西村昭宏さん – zenmono(ゼンモノ)


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@terukobayashi 小林輝之 ●溶接士免許から調理師免許まで幅広い経験をもつ福井県坂井市春江町の㈱長田(おさだ)工業所代表。 ●金属加工のワクワクを一般の方にも知ってもらいたいため、溶接キャラのLINEスタンプを作ったり、溶接工場をテーマパークにするプロジェクトを進めていたり、インテリアブランド立ち上げにとりかかっていたりしています。 Apple/読書/出版/経営/モノづくり/Amazon/ラーメンetc...

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