小林輝之の社長室〈長田(おさだ)工業所代表ブログ〉

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鉄工所は既存顧客を大事にしすぎて新規顧客が増えていかない

   


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継続王に、おれはなる!0372

弊社おさだ工業所のように、何でも屋の小規模鉄工所で、新規顧客が増えないとお悩みの方がたまたまこのブログに辿り着いたのなら、これも何かの縁です。聞いてください。

新規顧客が増えないから新商品を開発したり、新事業に乗り出そうとする前に、もう一度自社の今までの仕事内容をチェックしてみましょう。

あなたの事業所に新規顧客が増えない理由は、あなた自身が信用されていないからかもしれません。

これは鉄工所に限った独特な雰囲気によるものなのかも。

 

 

鉄工所は恵まれた環境です

鉄工所のビジネスモデルは実は恵まれています。

鉄工所は材料を仕入れてそのまま納品するだけではありません。

・お客様に加工物の提案ができる
・図面を書くことができる
・仕入れて溶接加工ができる
・塗装ができる
・現場に運搬できる
・設置できる

このように、毎回決まった仕事はなく、その仕入れた材料に多くの付加価値をつけて販売することができます。
逆に管理したり売上分析することは大変なんですが・・・
ということは、その付加価値をお客様が了承してくれるかどうかにかかっています。

かといって採算度外視のサービス価格で対応してもやっていけるはずもないですよね。

「あそこの鉄工所はこの値段で出来たのに・・・」
「この業界ではこの値段が相場なんだけど・・・」

鉄工所とひとくくりに言っても、その工場によって得意分野は違いますし、最大手の価格や「その日の自分のご飯が食べられればいい」といった1人~2人で兼業でやっているような鉄工所が見積もった価格に全てあわせることは不可能です。

あなたの鉄工所に頼みたいんだ!他じゃあダメなんだ!といった、今現在この工場を支えて頂いているサポーターのようなお客様を増やすにはどうしたらいいでしょう。

 

あなたは疑われている

このように付加価値を自分で付けて、その価格で買ってもらうにはあなたに「信用」がないとなかなか取引が成立しません。

長年あなたの会社を支えてきてくれている貢献度上位のお客様は、あなたを信用しているから今日もその付加価値に納得して仕事を頼んでくれます。

一方で、新規顧客はあなたを信用していません。

・何も知らないからってボッタクるつもりなんじゃないか。
・見えないところでいい加減な仕事をするんじゃないか。
・横柄な態度をとられるんじゃあないか。

そんなふうに初めてあなたの事業所を訪ねるお客様は勘ぐっています。

 

信用してもらえているか

新規客はあなたを信用していません。
信用のない関係ではモノを買う指標は値段のより安い所に決まるだけです。
あなたがいる会社じゃないと出来ない仕事ではありません。

逆の立場、つまり鉄工所もお客様を信用できない場合もあるくらいです。
例えばいきなり今まで聞いたことのない都会の大きなゼネコンから電話があって「何千万の見積もりをして欲しい」と言われても、参考価格のアンケートのように扱われるだけでしょう。

このように信頼関係にない者同士でいきなりそんな大口の仕事が決まるわけがありません。

最初の小さな取引ではお客様はこんなことを試しています。

・あなたはウソをつかない人間かどうか
・態度は大きくないか
・その提案してくれる付加価値は自分の価値観と合致しているか

あなたが正直者なら心配はいらないことです。

また、新規でお問い合わせされるお客様の中には「既存顧客からの紹介」があります。
信用していた長年あなたの会社を支えてきてくれている貢献度上位の今現在のお客様は、別のお客様を紹介してくれているでしょうか?
紹介してくれたことがないお取引先は、もしかしてあなたのことを他には絶対教えたくない「お気に入り」と思っているのかもしれませんね。これも鉄工所独特の雰囲気?どうなんでしょう。

 

信用度を高めるには

「お金」と「信用」などの本質が書かれた本「なぜゴッホは貧乏で、ピカソは金持ちだったのか」にはこう書かれています。

・信用度=(専門性+確実度+親密度)÷利己心

・この式のように専門性を高めるよりもエゴ(利己心)を減じるほうが、信用創造への貢献度は高い

 

 

お客様に様々なアピールをしたところで、そこにエゴが交じると、せっかくの信用度が2分の1、3分の1と下がってしまうようです。

信用を上げるには、エゴ(利己心)を下げていきましょう。

 

既存顧客と同じように新規顧客を大事にする

勘違いしないでいただきたいのは、信用してもらうために努力をしたところで1回で全てのお客様に信用してもらえるはずはありません。
そんなことまで考えていないイチゲンさんだったり、そのお客様の価値観にあわなかったりする場合も十分あります。

たとえば100人の新規顧客に最初は小さなお取引で試してもらったら、もしかしたらその内の10人はファンになってくるかもしれません。そしてそのファンの内の1人は熱狂的なサポーターのようになってくれるかもしれません。

その熱狂的なサポーターが次の世代の貢献度上位のお客様になっていきます。

最初の小さな取引、面倒な取引の段階で、あなたの鉄工所の信用度を高めなければいけません。
腕がいいのは当たり前、あなたが信用できる人物なら価格のことは二の次です。

プライドの高い腕のいい職人さんが集まる所ほど、このような事実に気が付かないことが多いです。

「オレたちはそんな小さな仕事なんてやってられないぜ!」
「今まで大事にしてくれた取引先だけをしっかり見ていればいいんだ!」

もしそんな風に思っていたら既存顧客からの信用もなくなっていくことにつながっていきます。
新規のお客様への対応は、既存顧客にも伝わっていきます。
やがて大きな取引も無くなっていくでしょう。

 

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世の中の小規模鉄工所の現状が書かれています。

 


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@terukobayashi 小林輝之 ●溶接士免許から調理師免許まで幅広い経験をもつ福井県坂井市春江町の㈱長田(おさだ)工業所代表。 ●金属加工のワクワクを一般の方にも知ってもらいたいため、溶接キャラのLINEスタンプを作ったり、溶接工場をテーマパークにするプロジェクトを進めていたり、インテリアブランド立ち上げにとりかかっていたりしています。 Apple/読書/出版/経営/モノづくり/Amazon/ラーメンetc...

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