(仮想出版)ゼロから始める2代目社長力(第二章:自分の立ち位置を確認する)
2016/07/16
継続王に、おれはなる!0514
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第二章:自分の立ち位置を確認する
目標を定める
社長は、10年後にどうなっていたいかをイメージして、その目標に向けて3年スパンで、1年スパンで、半年スパンで、月間、週間、日々と、様々な考え方で資産をどこに集中させるかを決定するのが仕事です。
カンタンに言うと貸借対照表と損益計算書を今よりもどういう形に変えていくかを考え、実行していくのが仕事なんです。
まず、上記の単語がよくわからない人は、「経営計画」や「決算書」についての本を5冊読むことから始めましょう。
ちなみにぼくは最初の本は「小学生でもわかる」とか「サルでもわかる」系から読んでいきました。
恥ずかしがっていられません!
さて、話をもどしまして、10年後の目標を定める前に、自分の立ち位置を確認してからでないと、夢は無限に広がって、収拾がつかなくなってしまいます。
どんな鎖がからまっているか
2代目社長が創業社長と決定的に違うところは、100%自分の自由にならない捨てられないものがあるところです。
本来はありがたいことなんですが、もしぼくが鉄工所の社長なのに、飲食店で事業を展開してくのが10年後の夢だとすると。
・溶接を得意とする職人さん達
・長さ80mの大きな工場の建屋
・50種類以上の加工機械設備
このような、すでにあるヒト、モノという鎖がからまっていると言えます。
この鎖をどう自分の夢とすりあわせていくかがカギになりますね。
先代の夢と自分の夢が全く一緒だったら問題ないのですが、そんなことは奇跡です。
どちらも間違っていません。じゃあどうしましょうか。
自分の夢を突き詰めてみる
ぼくは10年後に飲食店をしていることが果たして本当の夢だったのでしょうか?
よくよく考えてみると別の解釈ができてきました。
飲食店にこだわっているわけではなく、たぶん「ワクワクするような料理や従業員に囲まれて、ワクワクしにその飲食店に人が集まるイメージ」があったのでした。
その「料理」の部分を「モノ」に、「飲食店」を「工場」に変えてみても、同じように自分のやりたい事だったのです。
「ワクワクするようなモノや職人さん達に囲まれて、ワクワクしにその工場に人が集まるイメージ」
こんな目標を夢としてぼんやりでも思うと、先ほどの「鎖や重し」だと思っていたこと
・溶接を得意とする職人さん達
・長さ80mの大きな工場の建屋
・50種類以上の加工機械設備
が、とたんに強みに変わってきませんか?
「なぜ」を5回以上くり返す
自分の立ち位置を確認して、自分の夢とのすり合わせをする作業で効果的なのが、「なぜ」を自分にまず5回くり返すことです。
先ほどの飲食店が夢だとした場合、
・飲食店をしたい
⇒なぜ飲食店をしたいのですか?
・飲食店には美味しい料理と楽しい従業員がいるから
⇒なぜ美味しい料理と従業員を揃えたいのですか?
・お客さんがワクワクする顔を見たいから
⇒なぜお客さんがワクワクする顔を見たいのですか?
・(しつこいなあ)ワクワクしたお客さんに感謝されたいから
⇒なぜ感謝されたいのですか?
・(えーっと・・・えーっと・・・)
・・・これで答えが出るわけではありません。
しかし、本当の自分のやりたいことの根幹に近づくことができます。
いつかこれからの経験によって見えてくるでしょう。
そしてその根幹から考えると、今ある資産に、なにも無駄なものはないのです。
自分の立ち位置を確認し、自分の目標とのすり合わせの思考訓練は、2代目社長としての立派な仕事です。
—–【第二章:自分の立ち位置を確認する おわり】—–
第三章:社長は作業はしない に続く
目次
はじめに
第一章:創業社長を尊敬する
第二章:自分の立ち位置を確認する
第三章:社長は作業はしない
第四章:運がない人なんていない
第五章:情報の出し手側に立つ
第六章:2代目社長を楽しむ
おわりに
Teruyuki Kobayashi
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