安さに逃げる経営者がブラック企業を作り出す
継続王に、おれはなる!0250
ハフィントン・ポストでブラック企業が生み出されるメカニズムについて書かれています。
ブラック企業のブラックたる原因は経営者にのみあるのか|ハフィントン・ポスト
最近、ブラック企業問題の原因は企業や経営者以外にもあるのではないかと思うようになりました。
実は我々顧客の側が、「経営者が従業員の労働力を搾取して死に追い込む程の事をしなければ採算が取れない」ほどのサービス・商品を求めてしまっている事に「も」原因があるのではないかと。
この論調は、過酷な就労環境・労使関係が横行している理由を、経営者のせいだけでなく、消費者の側のせいでもあるとのことです。
しかしこれを言ってもどうしようもない。ぼくはやっぱり経営者側、企業側の責任であると思います。
「こんな高い価格でやってたら、これから仕事こないよ」
弊社おさだ工業所は以前、ある元請けの建設会社から、「出してもらった見積なんだけど、他の鉄工所より高いね」と言われました。
また、「こんな高い価格でやってたら、これから仕事こないよ」とも言われて、結局だんだんその建設会社との距離が離れていきました。
・・・ああ、もうちょっと神経をざわつかせる言い方だったような。
特にぼったくって価格を出したわけでもなく、適正と考えて出した精一杯の価格の5割引を要求されたこともあり、お断りした結果、お付き合いが続かなかったのです。
最近、うわさでその建設会社がつぶれていたことをしりました。
そのつぶれた会社は、従業員に対してはどうかわかりませんが、少なくともぼくら協力会社に対してはブラックでした。
下請けを叩いて値引きをすることしかその会社の存在理由がなかったようです。
安さに逃げない
消費者が安さを求めるからブラック企業が出来上がるのか。
たまごが先か、の問題になりますが、根本の理由は企業側が何も考えずに安くしたり、値引きに逃げることにあると思います。
ぼくは経営者ではありますが、一方では消費者でもあります。確かに安いほうがうれしい。
でも実はその商品、会社に安さ以外の魅力が見当たらないからです。
他に代えがきくようなコモディティ商品、コモディティ企業だからです。
「高く」売れ!
先日読んだ、エクスマで有名な藤村先生の新刊にはこう書かれています。
「安売り」が当たり前の時代が続いています。
でも、価値をしっかりと届ければ、安売りしなくても適正価格で販売できます。
そもそもお客さまは本当に安売りを望んでいるのでしょうか?
「安くしないと、売れない」
「お客さまは高いモノは買ってくれない」
実はそういうのは、売っているほうの思い込み、ってこと。
この本には全国の様々な業種の、「共感」を呼ぶことで「高く」モノを売っている事例がたくさん載っています。
勘違いしないでいただきたいのが、「高く」売ることで私腹を肥やすことではありません。
お客さまが望む付加価値を多くつけた商品を適正な価格で買っていただくことが当たり前の風潮になれば、世の中のブラック企業が少しでも減っていくことに繋がるでしょう。
ぼくを含めみなさんも、働く側の人であり、裏をかえせば消費する側の人なんです。
みなさんにブラック企業で働いていただきたくない。
世の中のブラック企業を減らすためにも納得して買っていただきたい。
世の中のブラック企業を撲滅するためにも安易な安売りはやめておきます。
適正価格を受け入れてもらえるような企業努力をいたします。
Teruyuki Kobayashi
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