「なぜ、社員10人でもわかりあえないのか」読書メモ
継続王に、おれはなる!0368
社員16人で世界的鏡メーカーの「コミー」という会社の小宮山栄社長の頭のなかにある組織論が書かれている本。
実はこの本の半分ほどはコミーの会社紹介・商品説明となっている印象です。
しかし今回は本のタイトルにある「なぜ、社員10人でもわかりあえないのか」にまつわる部分だけ抜粋した読書メモ。
「小さな組織だから一心同体」というのは全くの誤解。
・中小企業ほど注意が必要でしょう。社員が少ない分、特定の仕事を1人の社員が丸抱えするからです。特に経験が長くて、記憶力もいい人はどんどん専門性を身に付けて、その分野の「ヌシ」になってしまう。
・ヌシが発生すると、他の人はそのヌシに頼るようになり、ヌシにしかできないこと、ヌシにしかわからないことが増えていく。また、ヌシを異動させると会社全体の業務が滞りかねないので、人事異動が制約されて他の人もヌシ化しやすい。
・ヌシ化の予兆が見られたら「○しか問題」と呼んで警告する。例えば田村さんにしかできなければ「”田”しか問題」、山中さんにしかできなかったら「”や”しか問題」。こうして特別な注意を促して仕事のやり方を早急に改善させないと、仕事に縄張りができ、互いを理解できなくなっていく。
・ヌシが生まれると、そのヌシが病欠したり退社したりした場合に、仕事が維持できなくなることも問題だが、一番の弊害は、コミュニケーション不全の元凶となり、改善の芽を摘んでしまうことだ。
・ヌシは新しい勉強をしたがらないものです。
・誰でも仕事ができる仕組みにしてしまえば、仕事が日々改善できます。社員間のコミュニケーション密度も高まり、少人数でも組織力がぐんと高まります。そういう仕組みにしていれば、必要に応じてその仕事を外部の人に任せることもできますが、ヌシがいるとそうした柔軟性も失われます。
・すべては1人の社員が「なぜ?」と問うことから始まる。そして、誰かが発見した疑問は「大騒ぎ」して全員で共有し、知恵を出し合って解決する。
・ベテランに遠慮せず、若手は発言していますか?⇒問題発見した人が「大騒ぎ」できる環境を整える
また、普段何気なく使っている言葉やモノの名前などのしっかりとした定義付けができていないことも「わかりあえない」原因となるようです。
ちょっとしたボタンの掛け違いによる小さな誤解が積もり積もるということもあります。
少数人員がわかりあうには、
・ヌシ化を避ける
・どんな仕事も「なぜ」と問いかける
・問題発見した人が「大騒ぎ」できる環境を整える
・最低限のマニュアルを作る
といったようなことに注意すると良いようです。
Teruyuki Kobayashi
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