山口揚平「なぜゴッホは貧乏で、ピカソは金持ちだったのか」読書メモ
継続王に、おれはなる!0370
「ゴッホ」や「ピカソ」という名前を見て、この本を手に取った100%の人が芸術関係の本だと勘違いするでしょう。
ぼくもその1人です。
「ピカソ」はお金のことをよく理解していた、といういくつかの逸話が冒頭に書かれていたのみ、それ以外は全て「お金」の本質やこれからの「お金」への考え方で埋め尽くされています。
お金の形状が、大昔は貝から鉱物、そして紙幣で代替され、今ではネットの中の一つのデータとなってきています。
その「お金」の変化に伴って、これからのお金や人との付き合い方など、生き方を大きく見直すべき岐路をこの本は提示してくれています。
専門性を高めるよりもエゴ(利己心)を減じる
・絵が素晴らしいのは前提だ。だが人は、作品という「モノ」にお金を払うのではない。その「物語」を買うのだ、と彼(ピカソ)は知っていた。
・お金の達人は、究極的には、お金を使う必要がないのだ。
・お金は可能性の原因であり、貢献の結果でもある。
・「欲望は海水を飲むことと似ている」といったのは、ダライ・ラマ14世だった。海水は、飲めば飲むほどまた欲しくなり、人は乾きの果てに命を落とす。
・保守的傾向の強い人は、必要以上の保険料を払い、楽観的な人ほどギャンブルにお金を払う。
・保険の正体は、ファイナンス的にいってしまえば、「自分が死ぬ方に賭ける」という意味である。しかも、死んでしまったほうが勝ち、というなんとも悲惨なギャンブルだ。
・価値を生み出して、それをお金に換えるというと、いかにもハードルが高そうだ。だが実のところ、まったく高尚なことではない。とっかかりは、”好き”を追求すること。そこに集中して、無駄をそぎ落としていくと、おのずと自分に課せられた”使命”がみえてくる。
・(design)の語源は、デ(de:削る)・ザイン(sign:形作る)である。これはラテン語で「私欲を削り落とし、本質を磨き上げること」を意味する。
・会社による信用創造について、やや小さいレベル感の話ではあるが、たとえば、僕たちが貯めているポイントカードは、実は立派な「企業通貨」である。
・お金の形状は、貝から鉱物、そして紙幣で代替され、そして今、”ビット”へと変質し世界に溶け込んでいる。
・もはや人はモノを買わない。(中略)人は「つながり」と「物語」にお金を投じるのだ。
・信用度=(専門性+確実度+親密度)÷利己心
・この式のように専門性を高めるよりもエゴ(利己心)を減じるほうが、信用創造への貢献度は高い
・もしAさんとBさんに信用の土台があれば、厳密に欲望を合わせることができなくても「まあ、ちょっと合わないけど、あの人だからこのくらいでいいか」という緩やかな基準が適用される。
・僕たちがやるべきは、「いかに得するポジションをみつけ出すか」ではなく、「いかに自らが価値を創造できるか?」を愚直に考えて実行し続けることだ。
イケダハヤト氏も登場!
読んでいてびっくりしたのが、先日カフェでお会いしたプロブロガー、イケダハヤト氏の言葉を引用されていたこと。スゴイ!
※お会いした時の記事⇒イケダハヤト氏と会う方法【地方の一般人が有名人にコネ無しで会うには?】| 鉄工所の二代目社長、時々ルヒィ
『年収150万円で僕らは自由に生きていく』(星海社2012年)の著者であるイケダハヤト氏は(中略)プロブロガーだが、氏はある講演でこう言っていた。
「自分の貢献を覚えている人がいるかぎり、それが今お金にならなくても、セーフティネットになって、自分をくわせてくれるだろう」と。
芸術のことが書かれていないから、といって引っかかった!という感じもしない。
最低限タイトルにある「貧乏」や「金持ち」というフレーズで手に取ったのは間違いないんですから!
合わせて読みたい
紹介されていたイケダハヤトさんの著書はこちら。
Teruyuki Kobayashi
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