佐藤オオキ「ウラからのぞけばオモテが見える」読書メモ
継続王に、おれはなる!0408
先日NHKの「プロフェッショナル 仕事の流儀」でも放送されました佐藤オオキ氏とデザインジャーナリストの川上典李子氏との共著です。
世界中のクライアントを相手に、常時250を超えるプロジェクトを抱えるデザインオフィス「nendo」の代表、佐藤オオキ氏の思考法が書かれています。
ぼくの思考を整理するためにも、グッときたところを抜粋します。
※「プロフェッショナル 仕事の流儀」の佐藤氏のページはこちら
佐藤オオキ(2013年11月25日放送)| これまでの放送 | NHK プロフェッショナル 仕事の流儀
四則演算でデザインする
・デザイナーの仕事は「奇抜な形を作る」ことでも、何かを「カッコよくみせる」ことでもありません。デザインとは問題解決のための「新しい道」を見つける作業です。
・「一歩下がる」ことには2つの意味があります。1つは「一歩下がった」表現によってもたらされる訴求力の高さで、もう1つは「一歩下がった」視点で物事を見直すことの重要性です。
・がんばればがんばるほどアイデアは逃げていってしまうものです。目的意識を持つ、つまりアンテナをはってしまうと、自分自身にバリアを作ることになってしまい、周りを見えにくくしてしまいます。
・1・退屈なルーティンワークを楽しむ。2・がんばってアイデアを探さない/アンテナをはらない。3・物事に焦点を絞らない。
・均衡を崩す解決策例①要素を削ることで一度均衡を崩し、その上で補完していく。②ものごとの境界線を曖昧にすることで均衡を崩し、かつてなかった発想を喚起する。
・「隠す」ことはコミュニケーションの手法です。自分たちの長所と短所をそれぞれ認識したうえで、自覚している長所を伝える工夫にほかなりません。それも長所を全面的に披露してしまうのではなく、一部を隠す方法で人々の心に訴える力が、より伝わりやすいのです。
・「一歩引く」手法は引き算だった。「集める」がかけ算で、「休み時間」を割り算とするならば、「他人丼を見つける」のには因数分解と足し算が用いられている。
・デザイン事務所の経営には大きなジレンマが付きまといます。それは「デザインをがんばればがんばるほどお金にならない」という事実です。
・自分に「圧倒的なデザインの才能」がなかったことも影響していると思います。(中略)ところが、そんな自分が気付いたことが1つありました。それは、アイデアがデザイン事務所の全業務のうち1~2割程度のボリュームしか占めていないことです。
エステーの社長や、洋服のはるやまの社長も一目置くその思考法と行動力ですが、佐藤オオキ氏本人にとっては「圧倒的なデザインの才能」がなかったといいます。
デザインの才能があるのではなく、そのアイデアの種を形にする柔軟な行動力が大事なようです。
アイデアの種はしょせん種でしかなく、その種を「耕す」「育てる」「収穫する」といった工程に、佐藤オオキ氏は重きを置いているようです。
Teruyuki Kobayashi
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