人を責めない仕組みを創る。ソーシャルデザイン思考
2013/09/10
継続王に、おれはなる!0241
おさだ工業所では、よく工具をなくします。
例えば現場作業のために社外へ工具を持ちだし、そのままトラックの中に置きっぱなしになることがたまにあるからです。
その度に「この工具、誰がこんなところに置いたんや!」と犯人探しがはじまります。
ぼくは問題が起こった時、犯人探しをしても解決しないと考えています。
人が悪いのではなく、デザインが悪いんだという思考です。
例えば鉄の材料に穴を開ける工具、キリの置く場所は今までこのような状態でした。
この状態では一部のキリしか分類されていません。
ぼくはこのようにデザインを変えました。
その場所に自然と戻したくなるような「デザイン=仕組み」を生み出せるような人間になっていきたいです。
ソーシャルデザインとは
先ほどの話は目の前の身近な問題でした。
しかし世の中には社会(ソーシャル)問題の不満を「自分ごと」として「デザイン=仕組み」を変えて解決していこうとする人たちがたくさんいます。
この本にはそのような、「自分の周りをよりよいものにしたい」という気持ちから、ちょっとしたアイデアで社会問題を解決した事例が並んでおります。
毎日の暮らしも世界の問題も、たったひとつの思いつきで「楽しく」変えられる。おばあちゃんを元気にするニットブランド、街を賑わす「うわさ」の貼り紙。月間読者12万人のウェブマガジンを営むグリーンズが、社会を変えた伝説のアイデアを世界中から紹介。
ぼくは特に、「1枚のチラシと、パンダのキグルミを着た2人組だけ」でWWFの環境PRを28万人に向けて発信できた事例に驚きました。
そんなカンタンなアイデアひとつでこんなに大きな影響力を創りだせるんだ・・・と。
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余談ですが・・・
著者がグリーンズという会社だけあって、中身も全てグリーン!グリーン!
こだわりを感じるオシャレなデザインでした。
仕組みを創りだす側の人間へ
人間はとかく弱い生き物です。
なにかうまくいかない時、失敗した時、極端に言えば不祥事を起こした時。
とにかく誰かを犯人というポジションに据えチャンチャン、と終わらせようとします。
そのほうが表面上おさまりが良く、ストレスをその犯人にぶつけることで胸がスッとなるからです。
しかし、これは真の解決方法ではありません。事件は繰り返されます。
ヒトが悪いのではなく、あくまでそういう仕組みが、デザインが悪いと考えることが正解です。
その考え方を社会にまで広げた「ソーシャルデザイン」の考えを知りましょう。
もしあなたが「人を責める側の人間」でも、「仕組みを創りだす側の人間」に変われるはずです。
まずは工場の作業しやすく、人に罪を作らせないデザインといった身近なところからはじめたいと思います。
上記のシリーズの最新刊です!
Teruyuki Kobayashi
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