あと5年で会社は消滅する!?事業承継して3年半が経った今、思うこと。
事業継承して3年半、現在二代目社長3年生のまっただ中です。
グーグルで「二代目社長」と検索すると、予測変換で「ダメ」とか「バカ」とか「倒産」などという香ばしいフレーズがつくくらい二代目社長に対する評価は低いようです。
「二代目社長が会社を潰す」といううわさは枚挙に暇がありません。
しかし、この時代に起業して創業社長として新規事業を一から始めることこそ、よほどのセンスや運がないと失敗するリスクは高いでしょう。
それに対して二代目社長には先代から受け継いだ資産などの武器を多く持つ分、切迫感が足りないと思われがちです。
それぞれのメリット・デメリットを仮に足し引きして数値化してみたとしたら、創業社長でも二代目社長でもそんなに会社を潰すリスクは変わらないように思います。
視点を変えればどのようにもとらえられると思いませんか?
現在、事業継承した2012年6月15日から3年半が過ぎようとしています。
相変わらず会社は忙しいのですが、その中でも次の転換に向けての構築をしていかなければいけない重要な時期かと考えております。
企業の寿命サイクルと経営の代替わり
下記の「創業者を超える二代目経営者の成長ルール」という本には「産業のライフサイクル論」という考え方について一部書かれています。
だいたいひとつの企業は、30年ほどかけて導入期・成長期・成熟期・安定期を経て衰退していくサイクルになっているとのことです。
その、30年以上続く企業はこんな努力をしています。
永続的な成長をし続ける企業は、成長期にしっかりと収益を上げ、成熟期に該当事業でも業界内・商圏内地位を確保する。
そして成熟期の間に新たなビジネスに投資をし、次世代の中心となる事業を育てようとする。
ひとつだけでなく複数の事業に参入しさまざまな可能性を探っている。こうしてリスクを低減するのだ。
そうして会社を時流適応させていくことを真剣に考える。
(中略)景気が悪い、従業員が悪いと嘆き、実は経営者が次なる戦略を描けていないにもかかわらず、そのことは棚にあげている。そしてついに、残念な結末が待っているということもある。
今現在、弊社に関しましては運良く業績は安定していますが、先のことは誰にもわかりません。
そんな中、例え今の形態がうまくいっていたとしても、このままの事業に固執し続けていくことは考えられません。
わたしが経営の代替わりをしたのが第21期目で現在が25期目。
企業の寿命が30年だとすると、あと5年の内で消滅してしまうのでしょうか?
そうでなくてもモノづくりの世界では、低価格の3Dプリンターの登場をはじめ、目まぐるしく変化しています。
もう少し早い切り替えが必要かもしれません。
手を広げすぎれば失敗する?
そんな意見もよく聞きます。
しかし、「手を広げる」とはどういうことでしょうか?
現在弊社おさだ工業所では、手すりや階段の製作、設置などの鉄の溶接加工業を中心に事業をしています。しかしそれだけでは売上は確保出来ません。
それ以外にも、社員の中には配管業の経験があるので配管の敷設もやったり。古い建物の解体もやります。建て方作業もやります。塗装もします。はたまたレールの枕木交換もしてきました。
また、材料についても鉄だけでなくステンレス、アルミ、なんなら木も使うこともありました。
これはすでに「手を広げる」ということになっていないでしょうか?
それでも今まで運良く続いているということは、このように「手を広げる」という概念が、必ずしも失敗に結びつかないのでは?
古参社員たちの中で経験のあるもの・自信のあるものは全て「関連事業」、やったことのないものは「手を広げる事業」という相対的な概念となっているようにしか思えません。
自分の能力外・経験外のことを言われると未知の恐怖から、「手を広げると失敗する」とバリアを張っているだけのように感じます。
企業運営をしながら新しい展開をする難しさ
世の中には、代替わりした時が事業転換のタイミングだ、という評論家の方もいらっしゃるかと思いますが、従業員10名以下の鉄工所の場合、よっぽどそれこそ会社を潰す原因となります。
今までおさだ工業所を支えてくれた古参社員の理解・協力がなければ何をやっても成功しないでしょう。そこが創業社長にはわからない、二代目社長のつらいところです。
世代交代して最初の2年のあいだは既存事業を引き続き継続しながらぼくの考えを理解して頂けるよう努力しました。
その間に既存事業で社長として実績を残しながら新事業の準備をし、それから複数の事業に参入して、さまざまな可能性を探っているところです。
このままの状態をそのまま続けていくことこそ、先代の実績の上にあぐらをかいているだけのアホ二代目社長です。
かといって、これまでの会社の歴史を否定することも、アホ二代目社長の王道となります。
現在の企業運営をしながら新しい展開をする難しさ。
誰にも任すことの出来ない新規事業は、自らが責任者として行います。
※この記事は、2年前に書いたものを現在の心境に書きなおしたものです。(本を読んだのも2年前)
Teruyuki Kobayashi
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