掘削機(バックホウ・パワーショベルなど)のバケットの修繕方法
継続王に、おれはなる!0586
なんだか誰でもできるDIYのように気軽にタイトルを書いてしまいましたが、今回は弊社のような鉄工所の設備と技術でないとできません。
戦隊モノのなんとかジャーやなんとかライダーが悪役と闘いがちな場所で、土砂を掘ったりするような重機、掘削機をご存知ですか?
画像引用:建設機械コレクション(5)~土工作業に 2ページ – ダム便覧
その掘削機の土砂をすくうバケツ部分(バケット)の修理が最近増えてきました。
よく擦れる下の部分だけがボコボコになって破れそうになっているだけなのに、バケット全体を買い換えるなんてもったいないですもんねえ。
そのバケットの修理風景をお伝えします。
①ガウジングする
ぼくもそう。犬が吠えるようなたぐいのことかなあと最初思っていました。
「ガウジング」っていうのは、カンタンに言うと、電気で鉄を溶かして接合する「溶接」のマギャクで、電気で鉄を溶かして圧力空気で吹き飛ばして取る方法です。
鉄板が一枚だったら切断しやすいのですが、このようなバケットの場合、補強のために鉄板が二枚重ねになっていることが多いです。
そんなときは一枚づつ溶接の肉をガウジングで飛ばして、はがしていく作業が必要です。
ものスゴイ音と火花。動画で撮ってみました。
たしかに犬が吠えるようなウルサイ音です。
②切り取る
そしてもう1枚の、ベコベコになった部分はキレイに「ガス溶断」で切り取ります。
③曲げた板を溶接
この板の曲げが職人芸です。
メーカーによってバケットの形状が違うので、その形状に合わせて人の感覚で曲げます。
また同じように二枚重ねにするので、真ん中がバタつかないように手前の一枚だけ穴を開けて、下の鉄板と溶接します。
④しっかり溶接して完成
ここまできたら手術成功は見えたも同然、しっかり鉄と鉄を溶けこませて溶接して完成です。
バケットの形状や修復範囲によって価格が変わるので、無料見積りしてからの修理となります。
見積もりの場合、持ち込みしてもらえる近所の方ならいいんですけど、遠方の方は写真や動画で大きさや形状、修理箇所が伝わりにくい部分がありますが、できるだけ対応させていただいてます。
Teruyuki Kobayashi
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