1本のボルトの緩みで大きな事故の可能性が!ボルトの緩みを防ぐ3つの方法
0806
2008年8月に、東京ビッグサイトで上りのエスカレーターが急停止後に逆走して10人がけがをした事故があり、その原因がボルトの緩みだったことがわかったそうです。
ボルトの緩みが原因 東京ビッグサイトのエスカレーター逆走 :日本経済新聞
文脈では「ボルトの締め付けが不十分で緩んだ」とありますが、たとえしっかり締め付けていても、目に見えない振動によっても、どうしてもボルトが緩むことがあります。
鉄板と鉄板をくっつけるときに、両方に穴を開けてボルト(大きなねじのようなもの)とナット(そのボルトの相方であるリング状のもの)で締め付けるといっただけの固定方法なので絶対ということはありませんが、緩むようなことがあってはありません。
しかし基本的に「ボルトは緩むもの」という認識の上に、下記のような安全対策が必要です。
①スプリングワッシャーをかませる
写真のように途中でちぎれているような形状で、ボルトや部材に食い込ませるようにして、緩み止めや緩んだ際の脱落防止の効果があります。
一番身近な緩み止め対策です。
しかし、絶対振動でゆるまない!といったものではありません。
②緩み止めナットを使う
このような特殊なナットを使うことで緩み止め対策になります。
普通のナットとくらべて、内側にハネのようなものが付いており、締め付けるとボルトを傷つけるように食い込ませます。
また、先ほどのスプリングワッシャーに比べて、締付作業が簡単で取付ミスを防止します。
③ボルトのミゾをつぶす
これは、もうこれから先、ボルトを緩める必要のない場合にやっておくといいでしょう。
ボルトとナットを締め付けたあと、ボルトの出っ張った部分のミゾをタガネとハンマーで潰すこともゆるみ止め対策となります。
定期的な締め直し作業は必要
とはいえ、溶接ではなくボルト接合の場合は、絶対緩まない!といったことはありません。
やはり定期的に緩んでないか、緩んでいたら締め直すといったメンテナンスは必要です。
しかし、メンテナンスは自分でされるのならいいのですが、業者にそのまま頼むとコストがどうしてもかかります。(保守契約等)
オーナー様にとっても、買ったら、もしくは建てたらそれで終わりではなく、安全をお金で買うといった意識は最低限必要でしょう。
今回の事故はその保守点検が雑だったことが原因だったそうなので、メーカー側に問題がありました。
Teruyuki Kobayashi
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